槍ヶ岳ってどうしてあんなに尖ってるの?
槍ヶ岳はどうしてあんなに尖っているのか…疑問に思ったことはありませんか?
槍ヶ岳は、角のように尖っている独特な形をした山です。
とても迫力があり、登山家なら1度は登ってみたいと憧れる山のうちの1つです。
この記事では
- 山ができる仕組み
- 槍ヶ岳が尖っている理由
について解説します
親子で読める山に関する本も紹介するね
ラニ
- 年間250冊以上、学習まんが1000冊以上の読書家
- 元教諭で2児のママ
- 元大手アウトドア店員
当サイトについて
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- たくさん読むことで知識が定着する
など、まんがで学ぶときにはちょっとしたコツがあります。アウトドアの仕事でえた知識も交えつつ、勉強になるまんがを紹介します
アウトドア経験:沢登り、カヤック、キャニオニング、クライミング、リードクライミング、登山(屋久島、冬山など)、ケービング、サーフィン、サップetc
読書経験:学習まんが1000冊以上
山ができる仕組み
山ができる仕組みは、大きく3つに分かれます
- 噴火によるもの
- 地球上のプレート同士の押し合いによるもの
- 隆起と浸食の両方が起きてできるもの
1.噴火によるもの
まず地面から噴火がおこる
↓
噴火で出てきた溶岩が固まり、火山岩や火山灰になる
↓
その火山岩などが重なり厚くなり、高くなる
これが1つ目の山になる仕組みです
1つの大きな山になったり、何度も噴火してできる山の場合は、形がボコボコになって山頂が何個もできたりするよ
噴火でできた山のことを「火山」って言うよ
噴火によりできた山の例
- 富士山
- 阿蘇山
2.地球上のプレート同士の押し合いによるもの
地球の表層部には、「プレート」と呼ばれる厚い板状の大きな岩盤が十数枚ある
↓
それぞれが1年に数センチから十数センチくらいの速さで動いている
↓
そのプレート同士がぶつかる
↓
ぶつかったプレート同士が、お互いに押し合う
↓
横方向から強く押されて「しわ」になって、隆起する
これが2つ目の山になる仕組みです
同じような高さの山が数個できるよ
山脈になるんだね
地球上のプレート同士の押し合いによりできた山の例
- ヒマラヤ山脈
- アルプス山脈
3.隆起と浸食の両方が起きてできるもの
マグマが地表に出ずに、地下にいる状態で、長い時間をかけて固まる(深成岩になる)
↓
地球上のプレートが動くことで、大地が上昇する
↓
氷河、風、波、雨、溶岩などで大地がどんどん削られていく
↓
大地の隆起と浸食が繰り返される
↓
もともと地下にあった深成岩が地表に出てくる
これが3つ目の山になる仕組みです
深成岩は硬く頑丈な塊なので、削られずに残るよ
豆知識
火成岩が
- 火山岩(地表に出てきたマグマが固まってできた岩石のこと)
- 深成岩(マグマが地表に出ず、地下にいる状態で、長い時間をかけて固まった岩石のこと)
に分かれます
※火成岩=マグマが冷えて固まった岩石の総称
隆起と浸食の両方が起きてできた山の例
- 飛騨山脈(北アルプス)…槍ヶ岳のある山脈
- 茨城県の筑波山とその周辺
槍ヶ岳のある飛騨山脈エリアでは、大噴火が起きていた
槍ヶ岳があるのは、飛騨山脈です。
飛騨山脈には、奥穂高などの標高の高い山々が連なっています。
山脈になっているという事は、プレート同士の押し合いによりできた山です。
飛騨山脈と木曽山脈は同じような向きに山脈ができており、同じプレート同士の押し合いによりできた山脈だと言われています。
ただ、飛騨山脈エリアでは、大昔、大噴火が起きたのではないかと、地層や岩を調べることでわかってきました。
大噴火が起きた後に、隆起と浸食が繰り返され、できた山脈だと言います。
隆起とは、ある部分が高く盛り上がることだよ
浸食とは、雨水・海水・風・氷河などが岩石や土壌を削り取ることだよ
穂高や槍ヶ岳は、こうやってつくられた
大昔、飛騨山脈エリアに大きな火山があった
↓
大噴火が2回起きた
(1回目の噴火から、約1万年あいて、2回目が噴火した)
↓
その噴火は、世界規模の大噴火で「カルデラ」ができた
(1つは北鎌尾根から釜トンネルまで約16㎞のカルデラができた)
(もう一つは、北は五竜岳から南は針ノ木岳まで、南北約16kmのカルデラができた)
カルデラとは
- 火山活動によってできた2㎞以上の凹地(くぼち)のこと
- 鍋、釜という意味のスペイン語に由来している
- 大規模な噴火により、火山噴出物が大量に出たり、マグマが地下を移動してできた空洞に地表が陥没したもの
- カルデラ盆地やカルデラ湖ができる
- 阿蘇カルデラ、立山カルデラなどがあり、世界にも多数みつかっている
↓
そして、カルデラの中に火山灰などが積もって、固まった
↓
その固まった部分がプレートの運動により、高く持ち上がった(隆起)
↓
さらにカルデラが傾きながら氷河などによって削られながら(浸食)、上昇していった
これが穂高や槍ヶ岳などができた仕組みだよ
【メモ】
カルデラでよく起こる火砕流(かさいりゅう)で流れた火山灰が高温状態で固まると非常に硬く
緻密(ちみつ)な岩になります
これを「溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)」と呼びます
※火砕流(かさいりゅう)…火山が起きた時に、土砂などの火山噴出物が移動する現象のこと
溶結凝灰岩が穂高岳の近くで見つかった事で、昔、大噴火が起きたという事がわかりました
噴火したときにしかできない岩を穂高岳のちかくで発見したんだね
岩の種類で、歴史がわかるなんてすごいね
槍ヶ岳が尖っているのは、氷河が四方から削ったから
上で述べたように、槍ヶ岳の山頂付近の山は「溶結凝灰岩」というすごく硬い岩でできています。
溶結凝灰岩は非常に硬く、氷河による浸食を受けにくく、耐性が強いです。
大噴火が起きて、隆起と浸食が繰り返されていく中で、硬い溶結凝灰岩は削られずに残りました。
そして、氷河により、四方が削られ、尖った槍ヶ岳ができました。
四方には、カールと呼ばれる氷河によってできた窪みが4つ存在し
氷河が渦のように巻きながら周りを削ることで、尖った尖峰(せんぽう)と呼ばれる山頂ができあがります。
四方のカールと、硬い岩の存在により、あの尖った槍ヶ岳が誕生しました。
簡単に言うと、槍ヶ岳の山頂の岩は、すごく硬い岩でできていて、削られずに残ったってことだよ
槍ヶ岳の先って見た目どおり、硬いんだね
自然現象で、色々なことが重なってあの尖った形になったんだね
まとめ:槍ヶ岳の形は、岩のかたさや氷河の働きによってできたものだった
飛騨山脈は、大噴火のあと、隆起と浸食が繰り返されてできた山脈でした
そして、
槍ヶ岳が尖っているのは、四方から氷河により削られたことと
山頂付近は硬い岩でできていた為、削られずに残ったからでした
山の形や、岩の成分を調べることで、歴史を知ることができます。
この知識を持って、槍ヶ岳や穂高に登ると、また違った見方ができ、新鮮さを感じると思います。
槍ヶ岳や穂高岳の山登りは、登山の経験や知識をじゅうぶんに付けてから行ってね
山に関する本紹介
まずは、大人も子どもも楽しめる山に関する学習まんがをざっと紹介
サバイバルシリーズ+実験対決シリーズ
サバイバルシリーズと実験対決は、大人気シリーズです
文字も少なく、読書が苦手な子どでも読みやすい本です
受験対策に活用されたりしているよ
小学館図鑑NEO
小学館の図鑑NEOには、火山でできる岩について、詳しく写真付きで知ることができます
冷えるスピードで、岩の種類が変わったりするのがおもしろい
ここからは、大人が読む本を紹介します↓
「槍・穂高」名峰誕生ミステリー
地質学者の原山智がワトソンとなって、北アルプスが超巨大火山であった痕跡を実際の登山ルートを辿りながら解説していく本だよ
槍ヶ岳開山
槍ヶ岳の開山者、播隆(ばんりゅう)をモデルにかかれた小説だよ
やさしい山のお天気教室
観天望気ができるようになりたくて買った本。わかりやすくておすすめ
分県登山ガイドシリーズ
県ごとに発売されていて、登りたい山を探すときに結構役立つ本だよ
親子で近くの山を見に行くだけでも楽しいよ。初めてなら春か秋がおすすめだよ